「HubSpotを入れて3ヶ月が経ちましたが、現場がまたExcelに戻ってしまっています」
こういう話、珍しくありません。むしろ、CRM導入プロジェクトにおいて最も頻繁に聞かれる悩みのひとつです。
HubSpotは優れたツールです。でも、なぜ現場は使ってくれないのでしょうか。ツールの問題なのでしょうか。
そうではありません。原因は「連携」が設計されていないことにあります。
現場の担当者の立場に立ってみてください。
今まで自分なりに使いやすく作ったExcelがある。それで業務が回っていた。ところがある日、「HubSpotに移行します」と言われ、慣れない画面でポチポチ入力することを求められる。
「なぜ入力するのか」「入力することで何が変わるのか」が腑に落ちていない状態で、入力だけを求められれば、人は自然と元に戻ります。
これは意地悪でもサボタージュでもありません。人間として当然の反応です。
もう少し構造的な話をします。
多くの企業では、ツールの導入が「部門の課題を解決するため」に行われています。営業は案件管理のために、マーケティングはリード獲得のために、それぞれ自分たちに都合のいいツールを、自分たちのルールで使い始める。
結果として、組織全体を見渡すと「点」のデータしか存在しない状態が生まれます。
マーケティングが獲得したリードが、営業に渡った後どうなったかは誰も知らない。営業が失注した理由が、マーケティング施策に反映されることもない。カスタマーサクセスが察知した解約の予兆が、営業やマーケに届くことも当然ない。
これが「データのサイロ化」と呼ばれる状態です。各部門がそれぞれ「別々のお客様」を見ている状態と言ってもいいかもしれません。
HubSpotを入れても現場が戻る理由を整理すると、こういう構造が見えてきます。
まず、入力ルールが設計されていない。誰が何を、どういうフォーマットで入力するべきかが決まっていないから、データが欠損したり、人によって書き方がバラバラになる。
次に、入力した情報が誰かの役に立っている実感がない。入力したことで業務が楽になる、成果につながるというフィードバックループがなければ、入力は「義務」にしかなりません。
そして、承認プロセスが旧来のままになっている。Excelや紙の承認フローが残っている限り、CRMは「また別に入力しなければいけない場所」として認識されてしまいます。
CRM導入を成功させるための第一歩は、ツールの設定ではなく「情報の持ち方」の設計です。
具体的には、次のような問いに答えることから始まります。
商談でどんな情報を取得すれば、マーケティングのコンテンツ制作に役立つか。失注理由をどういう選択肢で記録すれば、AIが分析できるデータになるか。顧客のどういう行動をトリガーにして、次のアクションを自動化するか。
こうした設計ができて初めて、現場の担当者は「この入力は意味がある」と思えるようになります。
HubSpotが使われない理由は、HubSpotの機能が不足しているからではありません。
情報の持ち方が設計されておらず、部門間の連携が生まれていないことが根本原因です。どれだけ高機能なツールを入れても、組織がバラバラなままでは機能しません。
CRMは、使い始めてからが本番です。現場が「このデータを入れると、自分たちに返ってくる」という体験を積み重ねることで、初めて文化として定着していきます。
そのための設計と定着支援を、私たちSSCは戦略から実行まで一貫して担っています。CRM導入の次のステップについて、まずは一度ご相談ください。